映画『キングダム』シリーズ大総括!最終章公開前に振り返る壮大な歴史ファンタジーの軌跡

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2019年に始まった実写映画『キングダム』シリーズが、この夏ついに最終章を迎える。原作の人気マンガを忠実に再現しつつ、スケールの大きさと骨太なストーリーで観客を魅了してきた本シリーズ。公開を前に、これまでの軌跡を辿ってみよう。

『キングダム』(2019年) – 壮大なる歴史ファンタジーの幕開け

  • 中国春秋戦国時代を舞台に、奴隷から大将軍を目指す信の物語が始まる
  • 原作の世界観を忠実に再現し、日本アカデミー賞を総なめ
  • 原作者・原泰久も太鼓判を押した映像化の出来栄え

2019年に公開された第1作『キングダム』は、中国の春秋戦国時代を舞台に、奴隷の身分から這い上がり、大将軍を目指す若者・信の物語を描いた作品だ。原作マンガの持つスケールの大きさや複雑に絡み合う人間模様を見事に映像化し、その年の日本アカデミー賞を総なめにするなど高い評価を得た。

原作者の原泰久も、映画の出来栄えに太鼓判を押すほど。キャスティングの妙や、騎馬戦などアクションシーンの迫力も話題となり、歴史ファンタジーの新たな金字塔として注目を集めた。

『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022年) – 将軍への道のりが始まる

  • 王都奪還後の戦いを描き、シリーズの世界観がさらに拡大
  • 六大将軍・王騎との出会いが信の将来を大きく変える
  • コロナ禍での製作にも関わらず、スケールアップした続編

2022年公開の『キングダム2 遥かなる大地へ』は、王都奪還後の秦国が新たな脅威に立ち向かう姿を描いた作品。隣国・魏の侵攻や、信の前に立ちはだかる強敵たちとの戦いは、シリーズの世界観をさらに広げるものとなった。

中でも、六大将軍の一人・王騎との出会いは、信の将軍への道を大きく変えるターニングポイントに。コロナ禍での製作という困難を乗り越え、よりスケールアップした続編は、シリーズの人気をさらに高めることとなった。

『キングダム 運命の炎』(2023年) – 挫折を乗り越え、強敵との対決へ

  • 王騎の過去が明かされ、嬴政の目指す理想の国家像が浮き彫りに
  • 隊長となった信が初めての挫折を味わうが、困難に立ち向かう姿に胸打たれる
  • シリーズ屈指の名場面の数々が、観る者の心を揺さぶる

2023年の『キングダム 運命の炎』では、王騎の過去と嬴政の理想が交錯する重厚なドラマが展開。100人の兵を率いる隊長となった信は、戦いの中で初めての挫折を味わうが、どんな困難にも屈しない姿は、これまで以上に観る者の心を打つものがあった。

王騎と嬴政の対話シーンをはじめ、シリーズ屈指の名場面の数々が生み出されたことも見逃せない。信の成長とともに深みを増していく人間ドラマは、『キングダム』という作品の真骨頂といえるだろう。

『キングダム 大将軍の帰還』(2024年) – 因縁の対決が、最終章の幕を開ける

  • 王騎と宿敵・龐煖の戦いが、シリーズ最大のスケールで描かれる
  • 秦と趙の存亡を賭けた戦いは、これまでの伏線が一気に回収されるクライマックス
  • 王騎の過去と、先々代の遺言が明かされる衝撃の展開も

そして2024年、ついにシリーズ最終章『キングダム 大将軍の帰還』が公開される。9年前に王騎の妻となるはずだった摎を殺した龐煖との因縁の対決は、シリーズ最大のスケールで描かれる圧巻のアクションシーンだ。

秦と趙の国家の命運を賭けたこの戦いは、これまでのシリーズで積み重ねられてきた伏線が一気に回収されるクライマックスでもある。王騎の過去と、先々代の遺言が明かされる衝撃の展開にも目が離せない。

『キングダム』シリーズが描く、生き様と絆の物語

『キングダム』シリーズは、壮大な歴史ファンタジーでありながら、登場人物たちの生き様と絆を丁寧に描いてきた。信と嬴政、王騎といったキャラクターたちの成長と、彼らを取り巻く人間模様は、時代を超えて観る者の心を揺さぶる普遍的なテーマだ。

最終章を迎える本シリーズが、どのような結末を迎えるのか。長きにわたって紡がれてきた信の物語が、どう完結するのか。ファンの期待は日に日に高まっている。

『キングダム』が切り拓いた、実写邦画の新たな可能性

『キングダム』シリーズの成功は、実写邦画の新たな可能性を示すものでもあった。漫画やアニメといった原作を忠実に再現しつつ、映画ならではの表現力でそれを昇華させる。本シリーズはそんな実写化の理想形を体現してみせた。

特に、アクションシーンの迫力と、CGを駆使した圧倒的なスケール感は、邦画の新たなスタンダードを確立したといっても過言ではない。『キングダム』の成功が、今後の実写邦画界にどのような影響を与えていくのか。その動向からも目が離せない。

結論:『キングダム』は、日本映画の歴史に残る金字塔となるか

2019年に始まり、この夏ついに完結を迎える『キングダム』シリーズ。5年にわたって紡がれてきた壮大な物語は、日本映画史に残る一つの金字塔となるだろう。

原作の持つ魅力を最大限に引き出しつつ、映画ならではのスケールとクオリティで観客を魅了してきた本シリーズ。その集大成となる最終章には、これまで以上の感動が待っているはずだ。

シリーズが積み重ねてきたテーマと、登場人物たちの生き様が、どのように結実するのか。『キングダム』は、日本映画の新たな歴史の一ページを、まさに今、刻もうとしている。

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